コンバ☆ランドで脱出ゲーム!:後編

“管理人室”

――保管庫から出た4人は“管理人室”の扉の前にいた――

ガジロ
ベルタが言ってたのはこれか?

ルヒト
ドアプレートに“管理人室”とあるのでそうだと思います。

続きを読む

ハチ
とても分かりやすいですね。

ホタル
うん。素直な設計だねー。

ルヒト
あっさり見つかりましたし、隠す気はないみたいですね。

ガジロ
入るぞ?

ホタル
見つかっても困らないということかな。
ただ、念のため、入るときには気を付けてね。

ガジロ
立ち止まってるのも危ねえ。
八雲から入れ。

ホタル
いつ看守が来るか分からないからね。
(背後を気にしつつ)

ハチ
了解です。
(管理人室のドアをくぐって中に入る)

そこは、いわるゆモニタールームだった。
奥の壁にモニターが並んでいる。今は何も映っておらず、画面は真っ暗だ。
部屋は薄明かりに照らされ、懐中電灯を付けなくとも歩くのに支障がない。

ハチ
……司令塔のようでカッコいいですね。
(少しテンションが上がっている)

ルヒト
誰もいませんね。
(慎重に辺りを見渡している)

ホタル
管理人は不在みたいだね。それとも、もう使われてないのかな。
とにかく、今のうちに調べようか。
(ドア付近に立ち、外を気にしている)

ガジロ
ガランとしてるな。
ぱっと見、パソコンと……充電があるくらいか?

ルヒト
生活感がありません。
冷蔵庫やポット、ゴミ箱くらいあってもよさそうなのに。

ハチ
常駐していないのでしょうか。

ホタル
もしくは、それらを必要としない存在なのかもねー。

ルヒト
充電しておきますか?

ホタル
そうだね、使えるようだったら……ああ、良かった。大丈夫そうだね。
(ドア付近から離れてデスクに近づき、バッテリーの充電を開始する)

ルヒト
充電がそこにあるなら道具使い放題ですね。
看守の位置情報をチェックしておきますか?

ホタル
うん、お願い。

ルヒト
了解です。

ホタル
やっぱり退避場所より充電ステーションがほしいよねー。

ガジロ
道具の燃費が悪すぎる。
つーか、あの看守はなんだ。あいつら明かり使ってねえじゃねえか。

ホタル
看守用のアイテムじゃないってことかな。
ベルタが道具を用意したみたいだから、本当に脱出専用に作ったのかもね。

ルヒト
看守の反応はありません。
今のところ気付かれてもいないようです。

ホタル
ありがとう。
この一室はノーマークなのかな?
(考えつつ首を傾げている)

ルヒト
それだけ特別な部屋という設定で、ゆっくり調査できるようになっているのかもしれません。

ガジロ
じゃあ調査させてもらおうじゃねえか。
尾久、出入口はそこだけか?

ルヒト
はい。マップが正しければ出入口は一つです。

ガジロ
よし。
調査の間誰か一人が見張っとくので十分そうか?

ホタル
うん、僕が見張っておくよー。
みんなはしっかり調査してね。

ガジロ
了解。

ルヒト
了解。

ハチ
了解。
モニターはつかないのでしょうか。
(壁面を調べ始めた)

ルヒト
そういえばこの手のモニターってどこにスイッチがあるんでしょうね?
(話しつつ、充電装置の近くにあるパソコンに触れる)

ハチ
パソコンからですか?
確かにここに来るまで、カメラのようなものは見つかりませんでした。
(ルヒトの方を見て様子を見ている)

ルヒト
連動して点いたりしないかなと。

ガジロ
触ってみるしかねえな。

ルヒト
パソコンは……あ、使えますね。触っていいみたいです。

ホタル
パスもかかってない感じ?

ハチ
何か情報がある可能性はありそうですが……。
(パソコンに近づく)

ルヒト
何も制限はありません。ゲームでよくある『プレイヤーが触れるパソコン』って感じです。
見られるのは……これかな。
(ファイルを開く)

ハチ
「被験体α」と「看守ユニットβ」?
(操作はルヒトに任せて、パソコン画面を眺めている)

ホタル
ああ、手記によると……あの部屋の主が「被験体α」で、ベルタが「看守ユニットβ」みたいだったよ。

ガジロ
看守“ユニット”っつーことは、やっぱ人間じゃねえのか。

ルヒト
そうみたいですね。
……この研究所にとっては、被検体αの生態や記憶が重要だったようです。
(ハチ達が閲覧できるペースでファイルを開いていく)

ホタル
新たな知的生命体を作る実験に関連するんだろうね。

ハチ
……。
(ファイルの内容をじっと見つめている)

ルヒト
以上です。

ガジロ
これだけ?
ここまで来させといてそれだけかよ。

ハチ
特にめぼしいものはありませんね。

ホタル
そうだねぇ、目新しい情報でもなかったね。
攻略的に見るなら、手記が手に入らなかった人向けかな?

ルヒト
もう出ますか?

ハチ
あちらのパソコンはどうですか?

ルヒト
見てみましょう。
(モニターの正面にあるパソコンに移動する)
これはハチが調べますか?

ハチ
いえ、お願いします。
(モニターとパソコンをそれぞれ見ている)

ルヒト
わかりました。
(微笑み、パソコンの前に座る)
これもパスワードはかかってませんね。
ファイルは一つだけのようです。
(ファイルを開く)

ハチ
……先ほどとは違ったテキストですね。
(画面を眺めつつ首を傾げている)

ガジロ
ホタル、交代。
(見張りに立っていたホタルに声をかけ、ルヒト達の方へ行くよう促す)

ルヒト
『僕の箱庭』?
(テキストに『ここは僕の箱庭だよ』と書かれている)

ホタル
はーい、交代ね。
(振り返って頷きを返し、ルヒト達のところへ向かう)

ハチ
箱庭……あのワンルームのこと、ではなさそうですね。

ホタル
この施設のことかな?

ガジロ
普通に考えりゃ施設を指してるはずだ。
だが……何が言いてえんだ?

ルヒト
『僕といっしょに彩ろうよ、この世界を』
……これだと“箱庭”が世界を指しているように読めませんか?
それともコンバランドのことでしょうか?

ハチ
……この世界を『箱庭』と呼んでいる、ということですか?

ホタル
言葉をそのまま受け取ると、コンバランドよりも大規模そうだし……世界のことだろうね。
わぁ、すごいことを言うものだねー。

ガジロ
俺たちの世界があいつの箱庭だぁ?
んな訳あるかよ。

ルヒト
にわかには信じられません。
この、世界を彩るというのも、どういう意味でしょうか?

ハチ
……彩るという言葉が引っ掛かりますね。

ホタル
言葉の意味からすれば……組み合わせを変えること、じゃないかな。
新しい知的生命体を生み出すようにさ。

ガジロ
組み合わせって何の?
彩るってのは色つけたり飾ったりすることだろ?

ルヒト
箱庭を華やかにするなら、単純に種類を増やそうとしている?

ガジロ
変なゲームはしてるが、増えてはないだろ。

ホタル
増えてはいるんじゃないかな?
異常存在が、だけど。

ハチ
……既存の組み合わせを変更して種類を増やしている、ということでしょうか。

ガジロ
クソ迷惑じゃねえか。

ルヒト
だとして、『僕といっしょに』というのは?
私たちにそんな特殊な力はありませんよ。

ホタル
うーん……文脈と、ここまでの情報から推測するなら……彩る側ではなくて、彩られる側かもね。

ルヒト
具体的なことは何一つわかりませんが怖いです。

ガジロ
やっぱ迷惑じゃねえか。

ルヒト
これまでのゲームはその彩りと関係あるのでしょうか?
あのワンルームとか……『神隠しの部屋』みたいじゃなかったですか?

ハチ
確かに、それは思いました。
彷彿とさせてきます。

ホタル
――まあ、異常は理解できないモノだよ。
言葉が通じるからって、意思疎通ができるとも限らないからさ。

ルヒト
それにしても謎が多すぎます。
要求があるならもっと具体的に言ってほしいです。
(不満が顔に出ている)

ハチ
要求ではないのかもしれませんね。

ホタル
実験かもねぇ?

ガジロ
調査もあるかもなぁ。
箱に鏡に、人の内面を映すようなことばっかしてやがる。

ホタル
人間のことが相当気になっているのかもしれないね。

ハチ
人間のこと、ですか。

ホタル
箱庭に住む知的生命体への好奇心、とかね。

ガジロ
どういう立場なんだよ、ヤツは。

ルヒト
『管理者』かもしれません。
このゲームでそのポジションを名乗っているからというだけなので、根拠に乏しいですが。

ガジロ
判断材料が少ねえな。
これ以上は上の判断か?
(ホタルに問う)

ホタル
うん、そうだね。
僕らは、ここにある情報を持ち帰ることに専念しよう。

ガジロ
じゃあとっとと帰るぞ。

ホタル
リンクン、ハチクン。
他にめぼしいものはなさそうかな?

ルヒト
はい。
見せたいものは見られるように置いてるみたいなので、これで全部だと思います。

ハチ
こちらも、他には何もなさそうです。

ホタル
よしよし。
それじゃ、管理人室の調査は完了だね。
リンクン。看守の様子はどうかな?

ルヒト
(情報端末を起動する)
……周囲にいます。
部屋を出ると見つかる可能性が高いですね。どうしますか?

ホタル
バッテリーの充電もできてるし、サギリを先頭にして出ようか。
アイテムを使いつつ、外を目指そう。

ガジロ
看守のフリだな。
スルーしてくれりゃいいが、管理人室から出てくるのはちぃと言い訳が苦しい。
逃げるか戦うか、指示を頼むぞ。

ホタル
任せて。
フォーメーションは少し変更するよ。
サギリにはハチクンが続いて。リンクンは僕と後方ね。

ハチ
この警棒で戦えば良いですか。

ホタル
うん、必要なときはお願いするね。

ルヒト
この階層は看守が多いようです。
いざというときは私も戦っていいですか?

ホタル
うん、構わないよー。
適宜動けるようにして。

ルヒト
了解!

看守の正体

――4人は看守に追われていた――

ハチ
――こうも大挙して押し寄せてくるとは思わなかったです。

ホタル
あははっ、大歓迎って感じだねー。
管理人室に入るまではそうでもなかったのにさ。
リンクン、状況はどうかなー?

続きを読む

ルヒト
ええと。
(情報端末を見る)
前後に赤いマークが来てます!

ガジロ
出口は?

ルヒト
このまま道なりです。
けど看守がいます。退避場所は、ありません。

ホタル
なるほどー。
数も多いみたいだし、全部の看守を相手にしていたらキリがないね。

ハチ
では、どうしますか?

ホタル
フォーメーションを変えよっか。
ハチクンは先頭。警棒で看守を停止させて進路を開いて。
リンクンは僕の後ろに来て。看守の接近状況を知らせて。
サギリは僕と交代。殿を任せるから、もし追い付かれたら看守のフリをして。

ガジロ
了解。
(先を譲る)

ルヒト
了解です。
(ホタルの後ろに移動する)

ホタル
異常があったらすぐに知らせてねー。

ハチ
了解です。
ガジロ先輩は後ろで大丈夫なのですか?

ホタル
看守の移動速度はそこまで高いわけではないからね。
むしろ、進路を開く方が重要だよ。

ハチ
分かりました。

ルヒト
前方! 来ます!
(端末から顔を上げ、ハチの向こうを見る)

ホタル
ハチクン!
(懐中電灯で前方を照らして対象の位置を確認させる)

ハチ
了解です。
(位置を確認して距離を詰め、警棒を使って看守を一時的に無効化する)
前方クリア。

ホタル
ありがとう。
道具の使用にはバッテリーを消耗するし、なかなか厄介だねー。
(後方を振り返り、ルヒトとガジロを確認する)

ルヒト
今探知に出てる敵は後ろだけです。

ガジロ
あとは出るだけか。
はっ、看守っつっても大したことねえな。

ホタル
出るまでは油断しないようにねー。

ハチ
アトラクションだけあって、手ごたえもないですね。

ホタル
ここで本格的に対処しないといいけなくなるのは、さすがにちょっとねー。

――周囲から微かに声が聞こえてくる。

ハチ
……何か聞こえますね。

ホタル
相談しているみたいだね?

ルヒト
高い声……ラフィの声に似ている気がします。

ガジロ
相談?
ザワザワとよく聞こえねえ。看守共か?

ハチ
強くすると言いましたね。

ホタル
みんな、気をつけて。

――壁面を光が線を描き流れていく。短く、長く、上に、下に。再び暗闇が戻ると、館内放送が流れた。

『これより侵入討伐モードに移行します』

ルヒト
討伐?!

ホタル
物騒なモードだなぁ。
リンクン、看守は?

ルヒト
反応は……あれ、ありません。

『侵入者周辺の構造を変更します。侵入者の皆様は壁から離れて待機してください』

ハチ
ずいぶんと丁寧なアナウンスですね。

ホタル
通路も変わっちゃうのかな。
各自、気をつけてね。

――明かりがつく。さっきまで暗かった通路は一転、明るく白い部屋に変わっていた。4人の周りを看守が取り囲んでいる。

ルヒト
うわ、画面が真っ赤になりました!
(情報端末一面に看守の反応が表示されている)

ガジロ
見りゃ分かるわ。

ホタル
わぁ、大歓迎!
懐中電灯はもういらないね。
(周囲の状況を確認する)

ハチ
奇妙な空間ですね。照明はなさそうなのに、すごく明るい。

ホタル
設備としては視認できないね。

ルヒト
天井の高さも分かりません。

ガジロ
影がねえな。

ハチ
看守は、黒いマネキンに服を着せたような姿ですね。

ホタル
討伐モードって言ってたけど、どう動くのかな。
4人に対して看守8人はちょっとずるいね。
(ハチを傍らに留めつつ、ルヒトとガジロを気にしている)

ルヒト
看守の強さが先程と変わってなければ、1人2体でちょうど良いんじゃないですか?

ガジロ
戦闘は任せた。

ルヒト
ガジロさんも戦ってくださいよ!

ガジロ
俺は非戦闘員だ!

ホタル
変わってなかったら、ね。
そこはちょっと分からないからなぁ……。

ハチ
警棒は使えるでしょうか。

ホタル
使えないかもしれないね。
サギリー、僕の近くにいてくれる?
リンクンとハチクンは可能な限り連携して。できる?

ハチ
了解。

ガジロ
了解。頼むぜホタル。

ルヒト
了解。
出口は進行方向に見えています。
戦いながらあちらへ移動しますか?

ホタル
出してくれる気はあるみたいだし、脱出を最優先にしよう。

ルヒト
了解。

ホタル
後方は僕に任せて、リンクンとハチクンは前方突破を目指して。
サギリ、大丈夫そう?

ガジロ
問題ねえ。

ホタル
よし。じゃ、出口を目指して!

ハチ
了解。
(看守に警棒を向けてみるが、効かなさそうだと分かってぶん投げた)

ホタル
わぁ……。

ホタル
あ、待っててくれたんだねー!
そういうところはさすがの設計かも。

ハチ
きちんと話せるんですね。

ホタル
そこかー。

ガジロ
おい、ラフィども。

――看守が一斉にガジロを見る。

ガジロ
てめえらをぶっ壊しても文句はねえんだよな?

ガジロ
そいつぁよかった。
ホタル、遠慮はいらねえってよ。

ホタル
あはは、手加減しなくて良いってことだね。
ラフィだってことも確定したから、弱点としては同じかな。
ここ、要報告だねー。

ハチ
ランド内のスタッフは、やはりすべてラフィなのでしょうか。

ホタル
例外はあるかもしれないけど、基本的にはそうだと言えそうだね。
サギリ、これお願いー。
(懐中電灯をガジロに差し出す)

ガジロ
ん。
(懐中電灯を受け取る)

ホタル
ありがとー。
(手をひらりと揺らす)

ハチ
ケイ先輩、質問していいですか。

ホタル
いいよー。
あ、ほどほどにね?

ハチ
分かりました。
はい。(挙手)
看守の増員や補充はありますか。

ハチ
ここに居るのが全て……。
では、ここには何体いますか?

ハチ
見えていない個体がいるかもしれないので。
答えられないのでしたら、構いません。

ホタル
終わった?

ハチ
はい。

ホタル
良かった!

ホタル
律儀だね、終わったよー。

――看守達が警棒を構え、一斉に4人に向かって走り出した。ホタルへ、ガジロへ、ハチへ、そして質問の間に包囲網を抜けて出口に近づいていたルヒトへ。

ルヒト
やっぱり見逃してはくれないですね。

ホタル
うーん。本当に律儀だ。
きっちり1人につき2人来てくれるんだね。
リンクン、がんばってねー!

ハチ
ルヒトは外に出てしまえば良いかもしれませんが。

ホタル
あはは、そうだねぇ。アトラクション外には来ないかもしれないし、試してみてもいいかもね。
(ひとまずガジロを背に庇って、二刀流にしたエッジ・ファントムを看守に振るう)

ガジロ
てめえこら尾久!
八雲と連携取れって指示だったろうが!
(ホタルの背後で叫ぶ)

ルヒト
大丈夫です、連携取ります!
ハチが気を引いてくれてたから、これを拝借出来たんですよ。
(畳まれていた警棒を伸ばし、向かってきた看守の一体を打つ。打たれた看守は、警棒の効果で動きを停止する。)

ハチ
気を引いたつもりはないのですが。
(看守に回し蹴りを仕掛ける)

ホタル
天然さんだなぁ。

ルヒト
ハチはそのままでいてください。
(ハチの方へ戻りながら、追ってくるもう一体の看守を警棒であしらう。しかし、看守の手を払った直後、肩に何かがぶつかる)
っつ?!

ガジロ
なんだ?

ハチ
――っ、今、何かがぶつかったような。
(腕に何かが当たったことに眉を寄せる)

ホタル
っと。
何だろうね、これ。
(飛んできた物体をエッジ・ファントムで防いでガジロを振り返る)

ガジロ
敵だろうな。
数はわかるか?

ホタル
んー、素早いうえに色が周囲に紛れて視認しにくいけど――
(ガジロに当たる寸前で、飛行物を弾いて目を細める)
――少なくとも八体かなぁ。

ガジロ
8……そんなもんか。
攻撃っつーよりこっちの行動阻害がメインて感じだな。
(ホタルがフォローしやすいように動き回りながら、3人の戦いを観察する)
……尾久は攻撃を避けるので手一杯か。攻めあぐねてやがる。

ホタル
ハチクンも、妨害のせいで防戦一方になってきたね。
っと、結構痛そう。
(ガジロを守りつつ自分の方に来る飛行物体を防いで新人たちを見る)

ガジロ
ちっ。
しかたねぇなぁ。

ハチ
何か手があるのですか?
(聞こえてきた声に反応して先輩たちを振り返りそうになったが、すぐに前を向く)

ルヒト
でも、さっきは戦えないって。
(飛んでいる何かを払い除け、看守の手から逃げる)

ホタル
非戦闘員だからって、戦えないわけではないよ。
(足元に転がっていた警棒を蹴り上げてキャッチして、ハチに向かって投げる)

ハチ
戦えないわけではない?
(投げられた警棒を受け取って飛行物体からの打撃を防ぐ)

ガジロ
おい、看守。【質問】だ。

――【質問】の言葉が出た瞬間、看守と飛行物体は動きを止めた。

ガジロ
飛んでる小蝿も“看守”の一種か?
(話しながらホタルへ目配せし、新人達を顎で指す)

ホタル
リンクン、ハチクン。
(ガジロに無言で頷きを返したあと、新人達を呼ぶ)

ハチ
……。
(周囲を警戒しつつホタルのもとへ駆け寄る)

ルヒト
……。
(周囲を警戒しつつ、ハチに続いてホタルの元へ駆け寄る)

ガジロ
へぇ。
(3人が一ヶ所に集合したのを横目で確認する)
ま、なんでもいい。
俺たちも暇じゃねえんだ。
まとめて相手してやるから全員でかかってこい。
(だるそうにブレスレットをいじる)

ルヒト
キリツボさん、私たちはどう動きますか?
(小声でホタルに作戦を確認する)

ホタル
今は動かないで。

ハチ
何もしなくて良いのですか?

ホタル
今からサギリがあれを使うからさ。
非戦闘員としての戦い方があるんだよ、見ててー。

――看守が一斉にホタルたちの方へ向かう。ガジロには一体も向かわない。

ガジロ
は、眼中にねぇってか。
やらせねえよ――『化け懸かり』。
(ガジロのブレスレットが赤く輝く)

――どの看守も、走っていた体勢のまま体が止まっている。

ホタル
見て。あれがサギリの専用F.R.A.M.E.だよー。
(新人達を軽く背に庇いつつガジロを示す)

ハチ
あのブレスレットですか。
(ガジロを見てから看守達の様子を確認する)

ルヒト
看守に触れてもないのに、何がどうなってるんですか?

――飛行物体が何体か、看守の周囲を飛びまわる。

ガジロ
ふっ。
そりゃあ、飛んで火に入るなんとやら、だ。

――化け懸かりに絡め取られた。

ハチ
……もしかして、あれが先ほどからぶつかってきていたモノですか?
(紐状のものに絡まった飛行物体を示して首を傾げる)

ホタル
そうだよー、雁字搦めだね。

ハチ
一度くらい叩いても良いですか?

ホタル
あ、痛かったんだね……。

ルヒト
大きめのスカイフィッシュみたいな雰囲気ですね。
(赤い紐に動きを止められた飛行物体をじっと見つめる)

ホタル
確かに形状としてはそんな感じだねー。モデルにしたのかな。
(ルヒトの様子をちらりと見てから頷く)

ガジロ
はい終わり。看守は動けねぇし、あとはそっから出るだけだ。
(親指で出口を指す)

――飛行物体が消える。

ハチ
――終わってない?
(眉を寄せる)

ルヒト
ガーディアンの姿が見えません。

ガジロ
あ゙?
増援はねぇんじゃなかったのかよ。

ハチ
……ルール違反ではありませんか。
(少しだけむっとして警棒を握り締めている)

ホタル
ルールの抜け道だねぇ。

ハチ
お水をかけたら落ちませんか。

ホタル
うん、たっぷりあれば有効だろうけどね。
遊びたがってるだけかー。

ルヒト
さすがにもう出たいですよ。

ガジロ
ブンブンうるせぇなぁ。
小さい? たくさんいる? だからなんだ?

ホタル
わぁ、すごい挑発的ー。
リンクン、ハチクン。動かないでね。

ハチ
……了解。

ルヒト
……了解です。

ガジロ
はは、ははは。

ガジロ
動くな、だぁ?
誰に向かって言ってやがる?

ホタル
やっぱりサギリを刺激しちゃったみたい。
(周囲の状況に気を配りつつ、少し楽しがっている様子)

ガジロ
(部屋の中をゆっくり歩く)
何にぶつかるって?

ガジロ
へぇ。消えてるか。
小さすぎて分かんねえなあ!

ルヒト
なんかすごく楽しそうですよ?
(ホタルを見る)

ホタル
んー、なんというか……こう、スイッチ入っちゃったみたい。
刺激しないように大人しくしとこうね。
(ルヒトを見て軽く笑う)

ガジロ
はははは!
どっちが弱いって?
ほら、ぶつかってみろよ!

ルヒト
……。
(言いたいことを飲み込んで、口を閉じてホタルに頷き返す)

――中空に人の背丈ほどのガーディアンが現れた。

ホタル
わぁ、大きくなったねぇ。
(警戒の姿勢は解かないまま見守っている)

ハチ
……加勢しなくて良いのですか?

ホタル
今のところはね。

――ガーディアンがガジロの周囲を旋回する。

ルヒト
あのサイズにぶつかられたら……。
(いつでも飛び出せる姿勢を取る)

ガジロ
勝つのは俺だ。

――ガーディアンがスピードを上げた。

ガジロ
っ!
(風圧でよろめく)

ハチ
――ケイ先輩。
(眉を寄せる)

ホタル
大丈夫。勝つのはサギリだよ。
(エッジ・ファントムを持ったまま、腕で新人達を制する)

ルヒト
……。
(その場でガジロの戦いを見守る)

――よろけたガジロにガーディアンが迫る。
――そして、停止した。

ガジロ
学ばねえなぁ。

ガジロ
てめえじゃ俺に近づくことすらできねえの。

ガジロ
は、その程度でこの『化け懸かり』は敗れねえ。
そんなんで揺らぐほどチャチなもん作ってねえんだよ。
――機功部舐めんな。

ホタル
ね? 大丈夫でしょ?
(新人ふたりを見遣る)

ハチ
あれが機功部の戦い方ということですか?

ホタル
んー、どちらかといえばサギリの戦い方かなー。

ルヒト
……キリツボさん。ガジロさんはあのフレームをあまり人前で使わなかったりしますか?

ホタル
そうだねぇ……基本的にはね。
そのあたりはサギリに聞いてみると良いよー。

ガジロ
ホタル、こっちは終わったぞ。

ホタル
はーい! お疲れー! 
よし、片付いたね。リンクンハチクン、外に出るよ。
サギリ、サンプル持ち帰れそう?

ガジロ
…………。
(捕えた飛行物体を見る)
これでもいいか?

ホタル
あー……それだと大きすぎるよねぇ……小さくできないし、映像は残したからいいかな。
よし、行こっか。
(三人を外に促す)

ハチ
了解。
(誘うようにルヒトを見てから外へ向かう)

ルヒト
了解です。
(ハチに微笑み返し、三人について行く)

――脱出成功――

ゲームクリア

――アトラクションから出た4人はグッズの並ぶ明るい部屋にいた――

スタッフラフィ
クリア、オメデト!

スタッフラフィ
オメデト!

続きを読む

ホタル
おめでとうだってー。良かったねー、サギリー。

ハチ
……おめでとうございます?
(ガジロに緩い拍手を贈る)

ルヒト
おめでとうございます!
(ハチに続いて拍手をする)

ガジロ
なんで俺だけ、クリアしたのはお前らもだろ。おい、拍手をやめろ。

スタッフラフィ
記念品ヲドウゾ!

ホタル
あははっ、いいじゃない。今回は大活躍だったでしょー。
ほら、記念品だってさー。

ハチ
記念品ですか。
(やめろと言われた直後に手を止める)

ルヒト
何でしょう?
(拍手をやめてラフィを見る)

スタッフラフィ
コッチノテーブルへドウゾ!

――ラフィが示したテーブルには5種類のグッズが並んでいる。

  • ~暗闇でも安心~ とっても明るい ペン型ライト
  • ~金縛り用~ 普段使いは伸縮式指示棒に! スタン棒
  • ~これをかければあなたも霊能者?!~ オバケが見える メガネ型情報端末
  • ~ホラースポットも安心?~ なんとかなる お守り
  • ~アクリルキーホルダー型!~ オシャレに持ち歩く 専用バッテリー

スタッフラフィ
スキナノ、ヒトツ、エランデネ!

ホタル
選んでね、だってさ。

ハチ
……本当に使えるのでしょうか?

ルヒト
手に取ってもいいですか?

スタッフラフィ
イイヨ!

ハチ
触ってもいいのですね。
(ひとつずつ眺めながら)

ガジロ
ふーん。
(ペン型ライトを手に取る)
見た目は普通のペンだな。アトラクションのロゴが入ってる。

ハチ
キーホルダーが無難そうでしょうか。
(手に取ってしげしげと眺めている)

ルヒト
オバケが見えるって本当なんでしょうか?
(メガネをかけて辺りを見渡す)

スタッフラフィ
ココニイルヨ
(ルヒトの目の前で手を振っている)

ベルタ
(アトラクションの出口に立っている)

スタッフラフィ
ミエル?
(手を振っている)

ルヒト
特に変わりないですね。
(メガネを外す)

ハチ
見えないんですか?

ホタル
それが一番面白そうなのにね。

ハチ
残念です……。

ガジロ
さすがにこの中に別種の異常現象はないんだろ。

ハチ
既に異常の最中ですし、そうですよね。

ルヒト
キリツボさんはどれにするんですか?

ホタル
僕? んー、ペン型ライトにしようかなぁ。
実用的な気がするからさ!

ハチ
ルヒトは決まりました?

ルヒト
待ってください、ええ、どうしましょう。
このスタン棒って何ですか?

スタッフラフィ
スタンスルヨ

ルヒト
安全なら試してみたいのですが。

ガジロ
おい、こっちを向くな。

スタッフラフィ
ニンゲンニハキカナイ

スタッフラフィ
オバケニキク

ホタル
人に効かないなら、ある意味では安全だねー。
オバケを探すならこれだけど。
(半ば遊びでメガネをかけて幽霊を探してみる)

ルヒト
使い方を教えてください。

スタッフラフィ
ボウ、ノバス

スタッフラフィ
オバケニ、エイッテスル

ルヒト
えいっ。
(スタッフラフィに向かって棒を振る)
(振られたラフィの動きが止まった)

スタッフラフィ

スタッフラフィ
ツカイカタ、ワカッタ?

ルヒト
理屈はわかりませんがわかりました。解き方も教えてください。

スタッフラフィ
トキカタ?

ハチ
スタンは解けないのですか?
時間経過で自然に解けますか?

ホタル
(ある一点を数秒眺めたあと、メガネをそっと戻して新人たちを見守り始める)

スタッフラフィ
モウイッカイ、フッテミテ

ルヒト
えいっ。
(止まったスタッフラフィに向かって棒を振る)

スタッフラフィ
……ウゴケル

スタッフラフィ
トケタ

スタッフラフィ
コレデ、トケル

ハチ
操作自体は簡単そうですが……。
そもそもラフィはオバケ判定なのですか?
(不思議がっている)

ルヒト
私はどちらも異常現象だと思ってますが、実際どうなんですか?
(ホタルとガジロを見る)

ホタル
広義で捉えるのなら異常現象としては同一だよ。
もちろん、厳密に言うなら現象自体は異なるけどね。

ガジロ
だな。
俺たちは異常現象に詳しい分区別するが、一般人から見ればどれもオバケだ。

ホタル
そうそう。
人ならざるモノとしての括りなら、オバケも妖怪も異常も同じってことだよー。

ガジロ
その広義の意味での“オバケ”に効くんなら、その棒はけっこうやべぇ代物かもな。

ホタル
んー、そうだねぇ……これはランドの外でも使えるのかな?
(スタッフラフィに聞いてみる)

スタッフラフィ
モチロン!

スタッフラフィ
ドコデモ、ツカエル!

ホタル
そうなんだね、ありがとう!
と、いうことは……お守りはどうなるのかな?

スタッフラフィ
オマモリハネ、オマモルヨ!

スタッフラフィ
イイコトアルヨ!

ホタル
守るってことは、オバケから守ってくれるのかな?

スタッフラフィ
ソウ

スタッフラフィ
ソレ

スタッフラフィ
オバケカラマモル!

ホタル
そっかそっか、ありがとう。
本当にお守りなんだねー。

ガジロ
けっ。
俺はこのペンで充分だ。

ホタル
サギリはペン型ライトだね。
リンクンとハチクンは決まったー?

ルヒト
私はこの棒にします。
これなら人体に影響はありませんし、職質の心配もありませんので。

ハチ
私は現象が気になるので、お守りにします。

ホタル
リンクンはスタン棒、ハチクンはお守りだねー。
んー、じゃあ……せっかくだし、僕はメガネにしようかな。
ファッショングラスにできるしね。

ガジロ
待て。
おい、これは1つずつしかないのか?
(スタッフラフィに問う)

スタッフラフィ
イッパイ、アルヨ?

ガジロ
そうか。
ほら。
(自分が持っていたペンをホタルに差し出す)

ホタル
ええ? どうしたの?
(差し出されたペンとガジロを交互に見遣る)

ガジロ
さっきペンがいいっつってたろ?

ホタル
あははっ、気にしなくてもいいのにー。
じゃあ、サギリはこっちにする?
(ペンを受け取ってメガネを差し出してみる)

ガジロ
……。
(差し出されたメガネを見つめる)
研究材料は多い方がいいか。これにしとく。
(ホタルの手からメガネを取り胸ポケットに差す)

ホタル
ありがとねー。
(にこにことガジロを見てから、スタッフラフィに視線を移す)
よし、じゃあ、決まったよー。

スタッフラフィ
キマッタ?

スタッフラフィ
キマッタ!

スタッフラフィ
ヒトリヒトツ、ワタシタ

スタッフラフィ
オシゴト、デキタ

ホタル
あ、そっか。
うん、お仕事できたね。ありがとねー。

ハチ
だんだん可愛く見えてきました……。

ルヒト
お仕事頑張ってるんですね。
(ラフィを微笑ましく見つめる)

ガジロ
てめえらよぉ。簡単に絆されてんじゃねえよ。

ホタル
本当は(サンプルとして)連れて帰りたいんだけどねー。

ハチ
何だか、すごく複雑な気分になります。
いくら可愛く見えても、異常現象の一部なんですよね。

ルヒト
一体くらい連れて帰っては?

ガジロ
……ダメだ。
よく考えろ。コイツらの耐久性じゃ現実を生き延びるのは厳しい。

ホタル
みんなでお仕事してるのに、一体だけ連れ出すのは可哀想だしねー。

ハチ
……そのような問題ですか?

ガジロ
諦めろ。
ほら、もういいだろ。さっさと出ようぜ。
(ホタルを促す)

ホタル
あははっ、そうだね。
リンクンとハチクンも、そろそろ行こっか。
(新人達を促してから、アトラクションの出口を振り返る。そして、そちらに軽く手を振ってから歩き出した)

ルヒト
はーい。
(ホタルに後に付いて行く)

ガジロ
なんだ?
(ホタルが手を振った方へ振り返る)

ホタル
ベルタに挨拶しておいたんだー。
(軽く笑う)

ハチ
……?
(不思議そうに振り返ってから首を傾げる)

ガジロ
律義だな。

ルヒト
では私もキリツボさんに倣って。
(アトラクションの出口に向かってにこにこと手を振る)

ハチ
……??
(よく分からなかったが、立ち止まって会釈してから外に向かった)

参考情報

【研究施設からの脱出】

Web上で実際に遊べるゲームを用意しました。

“管理人室”の会話で登場した「被験体α」と「看守ユニットβ」の話は、ゲームの中の管理人室で読むことができます。

コンバ☆ランドの脱出ゲーム | マーブルクラフト

参加作品用案件

このアトラクションを使った参加作品の創作は、以下の案件をご利用ください。

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