特別講習課題『外で他人からカップル扱いされたら合格』です【あんみつ編&合否】

カフェ店内(ルヒト&ハチ)

――和モダンなカフェにあんみつを食べに来た二人――

ルヒト
念願のあんみつですね、ハチ。
(向かいに座るハチにニコニコと笑いかけている)

ハチ
フルーツあんみつ……ずっと気になっていて、食べたかったんです。
(手元の器に釘付けになっている)

ルヒト
そうだ、食べる前に写真撮ります?

ハチ
良いですね。記念にもなりますし……ああ、デートでした。
――ルヒトも一緒に撮ろ?

ルヒト
一緒に?
そうだね、せっかくだから一緒に撮ろう。
(スマホのカメラを起動する)
2人とあんみつが写るには……。
(器の配置や画角を変えながら調整している)

ハチ
……撮れそう?
(色々と考えたあと、ルヒトに任せることにした)

ルヒト
なんとか。
もうちょっとこっちに寄って。
(ハチの肩を抱き寄せる)

ハチ
こう?
(自分からも身を寄せてカメラを見る)

ルヒト
うん。いい感じだね。
撮るよ。
(シャッターを押す)
……どう?
(撮った写真を見せる)

ハチ
……うん。
良い記念になりそう。
(写真を見て頷く)

ルヒト
特別な記念だね。
さ、食べようか。
(席に戻る)

ハチ
うん、いただきます。
(席に座り直して、ルヒトを待ってからスプーンを持つ)
(一口食べて頬を緩めた)
今日はどうだった? 課題はクリアできそう?

ルヒト
いただきます。
(ハチと同じく、一口食べて頬を緩めた)
課題は、これだけやれば問題なく……。
……ハチ。これカップルメニューでもなんでもありませんね?

ハチ
会計時にカップル割引が適用できれば、クリアではないでしょうか。
メニューに書いてありました。

ルヒト
確かに。となると何か恋人っぽいアピールが必要ということに?

ハチ
男女が仲良く談笑しながら甘味を食べていれば、恋人だと思われるのではないでしょうか。
……おそらく。ガジロ先輩がどこまで求められているのかは、分かりませんが。

ルヒト
「他人から恋人扱いされたら合格」ですから、カップル割引で大丈夫なはずです。

ハチ
そうですか。では、……大丈夫じゃない?
ジュエリーだって問題なかったもの。そうでしょ?

ルヒト
そう、だね。うん、きっと大丈夫だ。
そういえば、さっきは慣れない場所で緊張したよ。ハチは堂々としてたね。

ハチ
慣れない場所ではあったけど……ルヒトが一緒だったから平気だったのかも。

ルヒト
ハチ……嬉しいこと言ってくれるね。
(緩む口元を抑える)

ハチ
これもつけてくれたでしょ。
嬉しかったから、お互い様だね。
(ネックレスに軽く触れてからあんみつを食べる)

ルヒト
ねえ、隣に座っていい?

ハチ
……いいよ、おいで。

ルヒト
ありがとう。
(ハチの隣に座る)
君は本当に素敵な女性だね。
(顔を近づけ、耳元で囁く)
『なんでそんなに演技上手いんですか。ズルいです』

ハチ
……どうしたの、急に。
(隣に来たルヒトを見て頭を軽く寄せた)
『狡くありません。出力方法を変えているだけで、すべて本音ですから』

ルヒト
恋人が可愛すぎて困ってる。
『ハチが嘘をつけないのはわかりますけど、自然すぎます。演技経験があるんですか?』

ハチ
本当に困ってる?
『いえ、特にはありません。このようにすれば良いとアドバイスをいただきました』

ルヒト
困ってるよ。君への想いで頭がいっぱいになってしまうから。
『キリツボさんから?』

ハチ
ルヒトこそ、そんなこと言っていろんな子のこと困らせてきたんでしょ。
『はい。ルヒトもケイ先輩に習うと良いかもしれません』

ルヒト
まさか。俺には君だけだよ。信じられない?
(上目遣いでハチを見る)
『ハチがここまでできるように指導するなんて……是非ご教示いただきたいです』

ハチ
……信じてるから困ってるの。
(見つめ返して軽く口を尖らせる)
『今度、一緒にやってみましょうね』

ルヒト
ごめんごめん。
困ってるのもお互い様だね?
(ハチの頭を撫でる)
『ええ。楽しみにしていますよ』

カフェ店内(ガジロ&ホタル)

――その一方、新人達が見える範囲の離れた位置についた先輩たち――

ホタル
……どう? あれは及第点?
(席に案内してくれた店員が立ち去ったタイミングで問いかける)

ガジロ
微妙だな。
あいつら素に戻ってねえか?

ホタル
うーん。ちょっと戻って……ああ、持ち直したみたい。

ガジロ
ったく、課題の最中に気ぃ抜きやがって。
ホタルから見てどうよ?

ホタル
気を抜いたのは減点だけど、課題は“恋人同士に見られる”ことだからね。
最低ラインはクリアじゃないかな。

ガジロ
じゃあ食ったら帰るか。

ホタル
サギリから見ても平気そうなら、大丈夫だと思うよ。

ガジロ
ぎこちない感じもするが、まぁ端から見りゃわかんねえか。

ホタル
んー、ちょっと口説きすぎかもしれないね。
付き合い始めというよりは、今からって感じがするかも。

ガジロ
あれは八雲が口説いてんのか?

ホタル
……あれはー、口説いては、いないんじゃないかなぁ? 素かも。

ガジロ
尾久も口説いてるっつーより、彼氏っぽいこと言おうとして無理してんじゃね?

ホタル
そういう意味だと、褒めてる部類なのかもね。初めてのことなんだから十分な気もするよー。
僕らまでお芝居する必要なかったかもねー。

ガジロ
俺らも必要だろ。あの手の宝石屋に行くのに男2人ってのもな。
今どき気にしねえだろうが目立ってあいつらに気づかれるのはまずい。

ホタル
あははっ、やらしい社長さんの方がまずい気もするけど、面白かったからいいよ。

ガジロ
ああ? 社長設定はホタルがくっつけたんだろうが。

ホタル
そうだけどー、ほら、あんまり恋人って感じでもなかったでしょ。
適材適所、臨機応変だよー。

ガジロ
それでいうと俺等の方が自然だったろーが。

ホタル
自然……んー、リンクン達に全くバレなかったら、かな?

ガジロ
いいや、恋人演技としてだ。

ホタル
えーっと、サギリの恋人演技が自然だったかどうかってこと?

ガジロ
(頷く)

ホタル
恋人と待ち合わせで合流して速攻スマホ弄っちゃうとこ?
それとも、人前で過度なスキンシップを仕掛けるところ?
夜のお友達ならいいかもしれないけど、恋人なら少なくとも前者はマイナスじゃない?

ガジロ
ショップに入る前はノーカン演技対象外だろ?!

ホタル
ショップ内だけなら、んー、そうだね! 装えてたと思うよー。

ガジロ
過度なスキンシップってなんのことだよ。

ホタル
想定よりも触ってくるから、ちょっとびっくりしちゃった。
ただ、そういうタイプの人だって分かりやすくて合わせやすかったよ。

ガジロ
“恋人”の認識にだいぶ隔たりがありそうだな。
触られんのも苦手か?

ホタル
えー、恋人って言っても色んなタイプがあるからさー。
苦手じゃないよー、サギリとこういう任務をしたことがなかったから適応してなかっただけ。僕の反省点だね。
……あ、ふたりとも出るみたいだよ。お会計だね。

ガジロ
(言われてレジの方向を見る)
……カップル割は適用されたみてえだな。
(やりとりは聞きとれないが、ルヒトの表情から達成したようだと察する)

ホタル
あー、良かったね。

ガジロ
そっちの部署諜報部としては及第点でいいんだな?

ホタル
うん、課題のゴールは達成してるからねー。
途中で気は抜いていたから、満点ではないかなって気はするけど。

ガジロ
そっちで育てようがあるならいい。
尾久の担当が誰に引き継がれるかわかんねえから。

ホタル
そうだね。講習も含めてありがとう。
リンクンはまだちょっと照れが出るけど、慣れたら大丈夫そうだしね。
休憩したら解散しよっかー。

ガジロ
だな。
(メニューを開きあんみつのページを眺め始める)

ホタル
食べていいんだよー?

ガジロ
ホタルは?

ホタル
僕? んー、サギリが頼むなら僕も何か……あ、白玉あんみつ頼もうかな。

ガジロ
じゃあ一緒に頼むか。
(タブレットで白玉あんみつとフルーツあんみつを注文する)

ホタル
ありがとねー。

ガジロ
タブレットで注文できるのは楽でいい。

ホタル
そうだねー、追加注文のときとか手間がなくてさ。
あとここ、提供まで早そうなのもいいよね。

ガジロ
(話している間にあんみつが運ばれてくる)
本当だ。
(テーブルに運ばれるあんみつを目で追う)

ホタル
あははっ、やっぱり早かったねー。
(にこにこと見守っている)

ガジロ
(スプーンを持ち、一口食べる。機嫌のいい顔をしている)

ホタル
(ご機嫌そうな様子を眺め、白玉をすくい上げて口に入れて味わう)

ガジロ
店のリサーチもあいつらでしたんだったか?

ホタル
そうそう。ハチクンだったかな。
上手に見つけてくるよねー。

ガジロ
八雲は店選びのセンスもいいな。
尾久は課題の店を自分で選んでないから減点だ。

ホタル
わぁ、きびしー。
デートの形はできてたよー?

ガジロ
及第点はくれてやる。
が、見た感じ八雲のサポートも大きい。
ジュエリーでペアにしたのは月見里とホタルの助言だろ?
エスコートは叢雲か。花里も報告の名前にあったな。
あいつ自身はまだまだだろ。

ホタル
みんなの助言を集めるのも含めて課題なら、まぁ、良い方じゃないかなー。
講習の方はどうなの、ふたりの様子とかさ。

ガジロ
順調ではある、かな。
八雲はわからないところを聞いてくるし覚えが早い。一度飲み込めば応用が効くから成長も早い。
尾久は慣れようとはしてるが、あいつは経験する方が覚えやすいタイプだろうな。実践に連れてった方が早え。

ホタル
ありがとう!
ふたりとも、違うタイプだけど飲み込みと吸収はすごいからなぁー。
んー、それならそろそろ変装術あたりも組み込むかなぁ。
実践はどこ連れてくの?

ガジロ
その手の接待ができる店。
スキンシップは軽めのとこだからな?

ホタル
それならまぁ、リンクンも何とかなる……なるといいね?

ガジロ
ついでに八雲も連れてくか?

ホタル
ハチクンが、リンクンにどう影響するか次第だと思うんだよね。
プラスかニュートラルならお願いしたいところだけど……どう?

ガジロ
あー……講習だとプラスだったが、実践だとどうだろうな。
ていうか連れて行っていいのかよ?

ホタル
必要性があって、プラスになるのならね。

ガジロ
そりゃ必要があるから連れてくんだが……いや、止めておこう。

ホタル
あれ、サギリストップは珍しいねー?

ガジロ
考えて見りゃ、『予め慣れさせておいてやる』なんて過保護だよなぁ?

ホタル
うーん。そうかもしれないねー。
ただ、今なら諸々経費で落ちるけどね。

ガジロ
経費っつっても子守り付きじゃなぁ。
慣れた方がいいのは店より客層の方でもある。
躱し方の基本は教えたし、本番で経験積ませてきゃいいだろ。

ホタル
あははっ、子守りって!
まぁ、そうだねぇ、うまくできるようになればね。
講習も過保護といえば、過保護ではあるけど……手厚いともいえるね。
(白玉を咀嚼する)

ガジロ
講習も「知らない人からもらったものを口に入れるな」からだぞ。仕事柄リスクがあるからな。
(フルーツを口に放り込む)

Xにて、「2人がフルーツあんみつを食べに行く話」のリクエストをいただいて作成しました。

また、沢山の方からルヒトにアドバイスをいただきました。
月見里さん(満月ソーダさん)、叢雲さん(遊雛彩さん)、花里さん(直井さん)、蟷螂さん(間宮さん)ありがとうございました!

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