ルヒト
あ、カゲカツさん!
カゲカツ?
私ですか?
ルヒト
はい!
あ、すみません。ガジロさんが「カゲカツさん」と呼んでるのを聞いてつい。お名前は……。
カゲカツ
いいですよ、カゲカツで。
どうしました?
ルヒト
それが、聞いてください!
ガジロさんに「オトナにしてやる」って部屋に連れ込まれて、ずっと恥ずかしいことさせられてるんです。
でも仕事に必要だって言われて……。
カゲカツ
それはそれは。
ルヒト
しかも次は実践だって 。
相手は自分で決めていいと言われたのですが、こんなこと誰に頼んだらいいのか……。
まだ職員の知り合いも少なくて……どなたか手伝ってくれそうな方に心当たりはないでしょうか?
カゲカツ
それは……それを私が手伝っても構わないのですか? ガジロさん。
ガジロ
駄目っすね!
てめえ何してやがる!
ルヒト
痛!!
ガジロさん?!
カゲカツ
私の目の前で暴力はいけませんよ。
先程もあなたに「部屋に連れ込まれて恥ずかしいことさせられた」と聞いたばかりです。
事実なら……。
ガジロ
は?!
てめえ何喋った?!
ルヒト
ガジロさんにセクハラされ…んっ。
(手で口を塞がれる)
ガジロ
人聞きが悪すぎる!!
研修だっつってんだろ! ホタルにも話してあるし真っ当な内容だ!
ルヒト
んぐ、んんん!!
(ガジロを睨みながら手を解こうともがく)
ガジロ
カゲカッさんも、これは諜報部に通してあるちゃんとした研修っす。
ルヒト
っはぁ……だってあんな……あんなの恥ずかしすぎます!
ガジロ
てめえの耐性がなさすぎなんだよ!! それ鍛えるためにわざわざ時間作ってやってんじゃねーか!
……っつーか、恥ずかしがる振りやめろ。わざとらしいんだよ。随分余裕出てきたじゃねえか。なあ?
ルヒト
あれ、バレました?
ガジロ
ニヤニヤしやがって。
そんだけ慣れたんだから課題も余裕だろ。
ルヒト
ペアでやるのはまた話が変わりますよ。デートの相手を探すところからなんて。
カゲカツ
それで心当たりを聞いてきたのですね。
ルヒト
はい。カゲカツさんは顔が広そうなので、いい方をご存じかもしれないと思ったんです。
カゲカツ
だそうですよ。
ガジロ
まぁ、人を頼るのも方法の一つだ。カゲカッさんを通しゃ確かに他の職員とも接触しやすくはある。が、今回は自力で探せ。それ含めて研修だ。
ルヒト
はぁい。
カゲカツ
どんな課題を出されたのですか?
ルヒト
『外で他人からカップル扱いされたら合格』というミッションです。
何度でもチャレンジしていいし、ペアを変えてもいいそうです。
ガジロ
協力相手にはちゃんと主目的も話せよ?
色事に不慣れだから場数踏みたいってな。
カゲカツ
なら叢雲貴彦さんと広瀬月都さんあたりがおすすめですよ。
ガジロ
カゲカッさん、甘やかさないでください。
カゲカツ
引き受けてくれるかは彼ら次第です。
彼らを探すのも、見かけた職員に声をかけていくのも自由ですよ。
ルヒト
ありがとうございます。よかったら今度デートしてください。
では、失礼します!
カゲカツ
健闘を祈ります。
(後ろ姿を見送る)
私まで課題の相手に含んでいきましたね。
ガジロ
すんません。うちのアホ犬が手間かけました。
カゲカツ
構いません。
こうしていられるのも新人扱いしてもらえる間だけですから。
ガジロ
さっさと一人前になってもらいたいもんです。
カゲカツ
……ちゃんとなりますよ。あなたもそうだったでしょう。
ガジロ
…………。
カゲカツ
そうだ、今から少しお時間ありますか?
ガジロ
10分程度ならいけます。
カゲカツ
それはよかった。
聞いてしまったからには事実確認をしなければなりません。セクハラに関して。
ガジロ
……っす。
▼関連話
尾久は別日でオトナの講習だ。当たり前だが仕事の話だからな? この手の話一つに一々そんな反応しやがって、それで諜報部が務まると思うなよ。

