――4人は招待状を使い、コンバ☆ランドへ入場した――
ルヒト
広い、ですね。
ホタル
しっかり遊園地らしさがあるねー。
ハチ
はい。思っていたより規模が大きく見えます。
ガジロ
ちらほら人がいるな。……おい諜報部、あと処理が大変だぞ。
ホタル
そうだねぇ、招待状をばら撒いたみたいだし……まぁ、頑張るしかないね!
ハチ
招待状がないと入れない、というのは厄介ですね。
ホタル
調査部を呼べないからねぇ、しっかり調査しようね。
ルヒト
建物に入ってみますか?
アトラクション以外に、飲食できる場所もあるみたいですよ。
ハチ
本当に遊園地を模しているんですね。
……?(猫の鳴き声が聞こえて立ち止まる)
ガジロ
飲食はやめとけ。よく言うだろ、“あの世の物を口にしてはならない”って。
ここがどうだか知らねぇが、避けるのが無難だ。
ルヒト
了解です。
お腹が減るのかも気になりますし……ハチ、どうしました?
ホタル
黄泉戸喫だねぇ――ハチクン?
ハチ
……大きな猫の鳴き声です。
ホタル
ネコ?(耳を澄ませつつ、ルヒトとガジロに目で問う)
ルヒト
……本当だ。
人以外も招待されているのでしょうか?
ガジロ
本物の猫かどうかも怪しい。
確認しに行くか?(ホタルに問う)
ホタル
……奇妙だね。園内には鳥の姿もないのに猫だけいるなんて。
そうだねぇ……一般人が巻き込まれてもいけないし、確認しよう。
(ガジロを見て頷き、新人達を見る)
ハチ
かなり大きそうな声ですよ。
ホタル
あははっ、そうだね。
声が低いから、体格は大きいのかも。
リンクン、ハチクン。離れないようにね。
ルヒト
はい。
大きな猫といえばノルウェージャンフォレストキャットが思い浮かぶのですが、そのくらいでしょうか。
(適当に自分の背丈ほどの大きさを手振で表現する)
ガジロ
ホタル、F.R.A.M.E.の動作確認をしておきたい。
念の為はぐれた時の集合も。
ハチ
……そんなに大きいのですか?
(ルヒトを見て少しそわそわしている)
ホタル
そうだね、今のうちに済ませておこう。
“普通の場所”とは違うみたいだしね。
(キャストの動きを観察しながらガジロに応じる)
ルヒト
大きくて、毛が長くてふわっふわで、可愛いんですよ。
(スマホを取り出す)
……圏外でした。
ガジロ
場所はホタルに任せる。
ハチ
……残念です。あとで調べます。
(本当に残念そうにしている)
ホタル
人の目もあるし、建物内に入りたいね。
キャストが少なそうな場所……一般人がいるかもしれないけど、あそこに行こっか。
(少し歩いた先にある休憩室を示す)
ハチ
外から室内の様子が見えますが、問題ありませんか?
ホタル
つまりは中からも外を確認できるから大丈夫!
堂々としていれば平気だよー。
ガジロ
看板のあのマークは……もしかして猫か?
ルヒト
猫カフェでしょうか?
ハチ
猫カフェ……しかし、中に猫の姿は見えませんね。
ホタル
大きなソファがあるだけだねぇ、すごくふかふかそう。
ルヒト
あの大きさなら全員座れますね。
ガジロ
人はいないみてえだな。
(休憩室に入る)
ハチ
……。
(ソファに近づいていく)
ホタル
ハチクン?
ハチ
いました。
(丸まっているソファ、もとい巨大な猫の尻尾をもふもふの中から引っ張り出した)
(巨大な猫はのそりと頭を持ち上げたものの、すぐに丸まって寝直した)
ルヒト
それは、尻尾ですか?
(ハチが持ってるふさふさに近づく)
ハチ
そうだと思います。
動きますし、探れば芯のようなものも……ほら、ここです。
(両手で掬うように尻尾を持ったまま、ルヒトに差し出す)
ホタル
動物の匂いはしないんだけどなぁ……。
(観察している)
ルヒト
(差し出された尻尾を受け取る)
ふわぁ……。
これは、尻尾ですね。
(ふわふわの毛に顔を埋め、数秒して顔を上げる)
……匂いはしませんが極上の毛並みです。
ガジロ
おい、得体の知れねえもんに近づくんじゃねえ。
ホタルからもなんか言ってやってくれ。
ホタル
んー、けど、サギリも興味あるんじゃない?
これ、すごく精巧にできてるよ。生き物みたいにね。
(屈み込んで猫の顔を眺めてから、ガジロの方を見る)
だけど、造形とちょっとした仕草くらいしか知らないのかも。
ハチ
すごいですよね。この、ふわふわ。
(極上の毛並みを堪能しながら猫全体を眺める)
ルヒト
大人しい子ですね。
このサイズなら乗れるかもしれません。
(背に上がろうとする)
ガジロ
……サンプルがほしいな。
(毛を引っ張ってみる)
ハチ
ルヒト、気を付けてください。
(猫が動きそうならサポートするために、軽く手を構えた)
ホタル
こんなに好き放題されても寝てられるんだねぇ。
サンプルはどう? 取れそう?
ルヒト
失礼します……っと。
登れましたよ!
(嬉しそうにハチを振り返る)
ガジロ
(あちこち毛を引っ張る)
……抜けねえ。
ホタルの剣で切ってくれ。
ハチ
きちんと座ってください。
どんな感じですか? ふかふかしますか?
(ルヒトを見上げつつ、首を傾げている)
ルヒト
不思議な感触です。
猫のような筋肉も、呼吸も感じない……それに、随分と柔らかい。ウォーターベッドに毛足の長いラグを被せたような感じがします。
ホタル
抜け毛が発生しないのかな、そういう機能がないのかもしれないねー。
ちょっとだけごめんね、少しだけね?
(大型猫の様子を窺いながら、何も持っていないように見える手を軽く振るう。その後、数本ほど切り取った毛をガジロに差し出した)
これくらい?
ガジロ
おう。(毛を受け取る)
こんだけありゃ充分だ。
しっかし……切られたってのに反応がねえな。
ルヒト
あ、ガジロさん! 自分だけ猫の毛集めですか?!
ハチ
やはりソファなのでしょうか。
生きているようには見えますが……動いてることは生物であることと等しいわけではありませんね。
(ルヒトの感想を聞きながら、毛並みを撫でて様子を窺っている)
ホタル
僕らのことは認識しているように見えるんだけどねー。
あれ、リンクンもほしいの?
ルヒト
はい!
この猫を連れて帰りたいです!
ホタル
わぁ……飼いたいの?
(屈み込んだままルヒトを見上げた)
ルヒト
はい。ちゃんとお世話しますから。
ガジロ
バカかてめえ。
いいわけねえだろ。怪異拾ってくるやつがあるか。
ホタル
うーん。そうだねぇ、安全なわけではないし……。
それに、もしかしたらこの場所が消えたら、一緒に消えちゃうかもしれないからね。
そうなったら寂しいでしょ? きちんとした猫ちゃんを飼った方がいいよー。
ハチ
飼うんですか?
(ペットを飼うこと自体に興味津々)
ルヒト
それは、寂しいです。
(背の上に寝そべり、ぎゅっと猫を抱きしめる)
……じゃあハチ、一緒に住みます?
ホタル
……“じゃあ”?
(思わずガジロを見た)
ハチ
私は猫ではないですが。
(首を傾げている)
ガジロ
なんでその発想に至ったか知らねえが、そういう話は家でやりやがれ。
ルヒト
今ならキリツボさんにお話を通せてちょうどいいんです。
ガジロ
ホタルは八雲の飼い主じゃねえんだよ。
ルヒト
キリツボさん、聞いてください。
ハチの冷蔵庫事情……いえ、詳細は省きますがハチには家事の手伝いが必要なんです。
ホタル
どうしてリンクンがハチクンの冷蔵庫事情を知ってるのかは、この際さておきとして……。
うんうん、それで? リンクンとしては心配なところがある感じ?
ハチ
……。
(冷蔵庫事件を思い出させられてしまい、思わず猫に顔を埋めた)
ルヒト
……(ハチを見る)
(ホタルに向き直る)
このままでは、いつか体調を崩してしまいそうです。
ホタル
深刻な事態に発展しかねない問題が発生しているわけだね。
それは、リンクンと住めば解決すること?
(大型猫に顔を隠しているハチを宥めつつルヒトを見ている)
ルヒト
はい。ちゃんとお世話します。
ホタル
うーん……リンクン、ハチクンはペットではないんだよ? それは分かってるよね?
ハチ
……あの、さすがにお世話をお願いするのは心苦しいです……。
ルヒト
それは……すみません。
もちろんペットだなんて思ってません。
しかし私と住めば解決するというのは、つまりは世話を焼くということでして……。
ハチ、説明するには状況を話さないといけないのですが、自分で伝えますか?
(困った顔でハチを見る)
ガジロ
……。
(大型猫の体躯を調べ始めた)
ハチ
……黙秘権は。
ホタル
ああ、言いたくないんだね? うーん……。
そうだねぇ、プライベートな話だから僕がとやかく言うことではないけれど、リンクンの負担が大きくならない?
(調査を開始したガジロを視界の端に入れつつ、新人ずの様子を窺う)
ハチ
……私はルヒトが手伝ってくれることは助かります。
ホタル
放っておけないところがあるのは分かるよー。
それで、一緒に暮らすメリットがあって、尚且つその方がリンクンも安心できるわけだね?
ルヒト
はい。
心配しているところも、ハチならすぐ覚えられるようなことですから、そのあとはまた別々に暮らしても構いません。
ガジロ
(猫の毛を捲り、足があるか調べている)
ホタル
明確な懸念点があって、問題を解決したいわけだよね? いいんじゃないかな。
どうして僕に話を通したかったの?
ルヒト
キリツボさんはハチのメンターですから、ハチの業務に支障が出ないようお話しておくべきだと思ったんです。
ガジロ
あ?
(猫の毛の下から顔を出し、ルヒトを睨む)
ルヒト
(サッと猫の毛に隠れ、顔だけ覗かせてガジロを見下ろす)
ガジロさんにも話すつもりでしたよ!
諜報部として問題ないかを先に確認したかったんです。
ホタル
諜報部というか……僕としては問題ないよー。私生活のことだしね。
ただ、何でもリンクンが手を出さないようにね。
君たちはこれからも対等に接し合うべきだとは思うよ。
ハチ
……はい、もちろんです。
(おずおずと顔を持ち上げて先輩たちを見ている)
ルヒト
何でも手を出さないように……気をつけます。
ホタル
うんうん、それで良し!
自立した大人なんだからね? 助け合いは必要だけど負担が偏らないようにね!
ハチ
はい。肝に銘じます。
ホタル
ハチクンはもうちょっと緩く捉えていいんだけどね……?
ハチ
はい。……ルヒト、よろしくお願いします。
ルヒト
よろしくお願いしますね、ハチ。
ガジロ
話は終わったか?
ホタル
サギリは調査終わった?
ガジロ
ああ。お察しの通り、猫に似せて作ってあるだけで猫ではねえな。
それと、今手持ちの道具でわかることだけ言えば……こいつは安全だ。
ホタル
あははっ、お墨付きだね。
ハチ
生きてるように見えますが、生き物ではないということですか。
ホタル
うん、そういうことだねー。機械仕掛けでもなさそうだけど。
いずれにしても安全なら、ひとまず一般人が来ても大丈夫そうだね。
(既に楽しんでいるように見えるルヒトを見遣る)
ルヒト
コミュニケーションはとれるのでしょうか?
(大型猫の背を伝い、その頭頂部から顔を見下ろす)
ホタル
どうなんだろうね?
仕草は猫らしい気もするけど。
(屈み込んだままで猫の顔を眺めてみる)
(大型猫は少し面倒くさそうに目を開き、目の前にいるホタル、上にいるルヒトを見たあと、頭を持ち上げてひと鳴きをしてまた伏せた)
ルヒト
可愛い!
(大型猫の額をわしゃわしゃと撫でる)
ガジロ
遊びに来てんじゃねえんだぞ!
ったく。
ホタル、はぐれた時だが、ここに集合にするか?
ホタル
リンクンは猫が好きなんだねー。
(にこにことルヒトの様子を見守っている)
(ひょいと立ち上がってからガジロを見て頷く)
そうだね。スマホは圏外だし、5分探しても見つからない場合はここに集合しよう。
各自、単独行動と深追いは厳禁。いいね?
ハチ
了解。
ルヒト
了解!
(猫を撫でながら元気よく返事をする)
ホタル
看板には『ねこやすめ』って書いてあったかな。
他に似たような場所があるかもしれないけど、入場口から一番近いところだと覚えておいてね。
ハチ
確かに猫は休んでいます。
(猫とルヒトを眺めつつ頷く)
ホタル
よし。サギリー、ふたりが戯れている間にF.R.A.M.E.の方だねー。
ガジロ
俺の方はさっきの調査で確認した。
あとはあいつらが持ってるF.R.A.M.E.のチェックだ。
ホタル
なら良かった!
けど、ご覧ください。猫に夢中です。
(笑いながらルヒトを示す)
ハチ
ガジロ先輩、お願いします。
(先輩達のやり取りに気づいて、自分が持っているF.R.A.M.E.を差し出しに行く)
ガジロ
ちっ!
尾久、降りてこい!
八雲、F.R.A.M.E.が普段通り使えるかチェックしてみろ。
ハチ
チェックモードのようなものではなく、通常通りに起動して、正常に使用できる状態であれば問題ないですか?
(F.R.A.M.E.『クロノ・トレーサー』を起動させてみる)
ガジロ
そうだ。
自分の痕跡を見てみろ。
ホタル
リンクン、おいでー。
(ひらひらと手招きをしている)
ルヒト
はい!
(撫でる手を止め、大型猫の体を滑り降りた)
なんでしょうか?
ホタル
F.R.A.M.E.の動作確認だよー。
(ルヒトのスーツに毛が付いていないかを目視でチェックした)
ハチ
はい。……正常かと思います。
(念のため、ガジロにも画面を見せて確認している)
ガジロ
……よし、正常だ。
今後もしこういう異空間に来るようなことがあったら、余裕のある間にF.R.A.M.E.の動作チェックをする癖をつけろ。
尾久、てめぇのもチェックしろ。
ルヒト
はい。
(端末からマップを開く)
……あれ?
ガジロ
どうした?
ルヒト
エラーです。
(画面を見せる)
ガジロ
……尾久、エラーの時は表示されてるエラーメッセージも報告する癖をつけろ。覚えとけ。
ルヒト
はい。
これは……(画面を見る)……『通信エラー:ネットワークに接続できません』とあります。
ホタル
スマホも圏外だからねぇ、やっぱりオフラインだね。
ハチクン、動作確認は基本だから癖にしておくといいよ。
ハチ
一日一度程度ですか?
ホタル
うーん、頻度は問わないかな。
でも、最低限だね。例えば勤務開始前にチェックする、とかね。
ハチ
分かりました。
エラー発生時はエラーメッセージを添えて報告します。
(ルヒトとガジロの様子を眺めつつ)
ガジロ
(ハチに頷き、ルヒトに向き直る)
貸せ。他の機能をチェックする。
ルヒト
他の機能ですか?
(端末を渡す)
ガジロ
アクセス制限があるだろ。
てめえが見れるのは「一般施設マップ」だけ。
俺は機密が絡む施設のマップも見れる。オフラインじゃこれもアクセスできねえし、ここで必要ねえからそれはいい。
(マップアプリを操作し、ガジロの権限で認証、機能を開放する)
……ここでも使えるな。
(ルヒトに端末を返す)
ルヒト
(端末を受取り、画面を見る)
緑の点が1つに、黄色い点が3つ……緑が自分で、周りの黄色がガジロさん達ですね。
ガジロ
そうだ。
それは徽章レイヤーモード。周囲の徽章の位置を表示する。
もしはぐれても、近くに職員がいればそれでわかる。
ホタル
位置が分かってもすぐに姿が見つからなかったら、無理はしないようにね。
(猫を撫でつつ三人の様子を見ている)
ハチ
5分間探しても見つからない場合は、ここに集合ですね。
ホタル
そうだよー。『ねこやすめ』ねー。
ルヒト
猫さーん。写真撮るので目線くださーい。
(カメラを構えている)
ホタル
あ、退くねー!
(ルヒトに気づいて猫なら離れる)
(猫は面倒くさそうにルヒトを見ている)
ルヒト
可愛い!(シャッターを押す)
キリツボさんも入ってください!
ガジロ
観光じゃねえんだぞ!
ホタル
ああ、大きさの比較のためにもいいかもしれないねー。
(ハチを手招きして猫の傍に行く)
ハチ
……?
(首を傾げつつホタルの隣に立つ)
ルヒト
ガジロさんも入ってください。
ガジロ
ああ?!
ルヒト
キリツボさん、ガジロさんを引き取ってください!
ホタル
あははっ、まあまあ。大きな猫がいたなんて、なかなか伝わらないからね。
証拠と資料のためだよ、サギリ。
(おいでおいでと手招きをする)
ハチ
……。
(首を傾げつつ、ホタルの後ろに位置を変えた)
ガジロ
ち、しかたねえ……。
ルヒト
はーい、撮りまーす!
ハチ
……資料になりますか?
ホタル
サイズの比較はできるよー。
調査部にも提供したいしねぇ。
ハチ
ルヒト、きちんと撮れましたか。
ルヒト
はい。サイズ感はばっちりです。
ガジロさんは不貞腐れてます。
ガジロ
……。
(ルヒトを睨む)
ルヒト
なんでもないです。
ホタル
よしよし、リンクンありがとうねー。
さて、サギリの調査も終わったし、そろそろ行こうか。
君もご協力ありがとうねー。
(猫の喉下を撫でて小さくお礼を言う)
ルヒト
君もありがとう。
(ホタルの反対側で猫の喉下を撫でる)
(気持ち良さそうに目を細めた猫は、まんざらでもなさそうにしている)
ハチ
ガジロ先輩はいいのですか?
(撫でていないガジロを見る)
ガジロ
あ?
(ハチを見て、猫を見る)
何がだ?
ハチ
触らなくても良いのかと。
ホタル
ああ、サギリはさっき調べたときにたっぷり触ったからさ。
ほらほら、リンクン。名残惜しいだろうけど行くよー。
(ルヒトを振り返ってから外に向かって歩き出す)
ガジロ
そういうこった。
(ルヒトを振り返り)
早く来い! 置いてくぞ!
ルヒト
はい!
(猫に手を振って、慌てて追いかける)
